有機栽培農家の挑戦 1
- OEMarche TIMEs
- 2019年9月3日
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「天空の里山」いわき柳生菜園主宰 福島裕さん
福島さんは、福島県出身ではない。東京の赤羽で生まれ育った。35歳の時、農家だった妻の父が倒れてから、妻の実家がある福島に移り住んだ。サラリーマンだった福島さんは、定年するまで仕事を続けた。すでに義父は他界し、義母は80歳になろうとしていた。決心して跡を継いだのは、震災の2年前だった。
「初めは、先祖代々の農地を荒らしたくないという思いでやっていました」。その矢先、原発事故が起きた。放射能汚染の影響によって、農作物の売り上げは減少し、見えない放射能への不安が募った。震災以前、福島さんは、集落で行われていた慣行農法に沿って栽培していた。かねてより、本や公害問題に関するニュースを通して、農薬や除草剤、化学肥料による健康への影響を気にしてはいた。だが、そこまで深く考えずに従来の慣行農法を続けてきた。原発に対しても、安全神話を信じきっていた。その結果、大きな事故が起きてしまった。放射能検査を受けながら農業を再開した頃、決心した。「慣行農法は、もうやめる」。
(後編へ続く)

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