有機栽培農家の挑戦 2
- OEMarche TIMEs
- 2019年9月3日
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有機栽培は、従来の方法に比べて圧倒的に手間がかかる。害虫は飛来し、病気にもなりやすい。だが、福島さんは「それが、本来の自然ではないか」と笑顔で語る。売上も縮小した。それでも我慢できる範囲内だという。
耕作放棄地の増加、農業従事者の高齢化、後継者問題と課題は山積する。福島さんも今年で70歳となる。実際、体力的には後5年くらいと冷静に言った。誰しもリタイヤする時は必ず来る。どう環境を汚さないで自然を次の世代に残していくか。福島さんは「法人組織を作りたい」と強く語った。
家族経営や自営業にも限界が来ている。農業をやりたいという若者が現場に飛び込んでも、社会保険もなければ先行きは危ういと懸念する。若い世代が安心して就農できる形を整えたいという。
農林水産省による平成30年度の統計によると、日本の農家人口418.6万人のうち、65歳以上は209.5万人だ。割合は43.5%と半分に迫る。若い世代の就農を増やすことが切実に求められている。
福島さんの農園には大学生や企業人が視察や研修、ボランティアに訪れる。昨年でその数は2000人を超えた。農園は空気が澄んで、夜には星が光り輝く。その農地に福島さんの義母は「天空の里山」と名付けた。その里山に今、多くの人々が交流に訪れる。新たな農業の形が、オーガニックコットンの花と共に、開花し始めている。


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